こんにちは。
ソーイングキャットの春ちゃんです。
今日は、「きものコレクション竹刀袋」に使われていることがある、「紬(つむぎ)」という日本の伝統的な着物生地について、少しだけお話ししたいと思います。
紬は、絹(シルク)から作られています。
紬づくりは、まず絹糸を一つひとつ染め上げることから始まります。そして、完成する模様を思い描きながら、職人さんたちが一本一本、丁寧に織り上げていきます。
糸を先に染め、織り、そして一枚の着物へと仕上げていくその工程には、わたしたちの想像を超えるほどの時間と、何世代にもわたって受け継がれてきた日本の職人さんたちの素晴らしい技術が込められています。
また、紬は天然素材である絹から作られているので、やさしい手触りと自然な風合いが魅力です。化学繊維にはない、どこかあたたかくて、ほっとするような質感を感じることができるのではないでしょうか。
みなさんの中には、「絹(シルク)」と聞くと、特別な日に着る、とても繊細で高価な着物を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、紬は少し違うんです。
紬は、美しいだけでなく、とても丈夫な織物としても知られています。
昔の日本では、特別な日だけではなく、普段の暮らしの中でも大切に着られていました。紬は、炊事や洗濯など、毎日の生活を共に過ごす着物だったとも言われています。
たくさん着て、少しずつ体になじみ、長い年月をかけて愛されてきた紬の着物。
そんな紬の着物が役目を終えたあと、新しい竹刀袋として、また誰かの毎日に寄り添うことができたら、とても素敵なことだと私は思いました。
私は、着物をほどいて竹刀袋を作っている時間が、とても好きです。
着物を丁寧にほどいている間、なんとなく、自分がその着物が生まれた時代へ、少しだけタイムスリップしたような気持ちになります。
そして、一期一会で出会ったその紬の着物と、そっとおしゃべりをしながら、心を込めて竹刀袋を縫っています。
私にとって、この時間は、とても心が落ち着く、やさしいひとときなのです。
なお、私が製作する「きものコレクション竹刀袋」の中には、紬であることを示す証紙が残されているものもあれば、長い年月の中でその記録が失われてしまったものもあります(証紙が残っている紬で作られた竹刀袋には、証紙の写真を添付しています)。
そのため、風合いや織りの特徴から紬と思われる生地であっても、すべてを紬として保証することはできません。
それでも、証紙の有無にかかわらず、その美しさや丈夫さ、そして日本の職人さんたちが受け継いできた伝統の息づく生地を、一点ずつ丁寧に選んでいます。
それぞれの着物が歩んできた物語に、新しい一歩を添えられますように。
そんな願いを込めて、今日も一つひとつ、大切に竹刀袋を作っています。
ソーイングキャット 春より